交通事故の被害者は、加害者に対して、積極損害、消極損害、慰謝料などの損害を請求できます。どんなものが請求できるかは、事故によるケガの態様・死亡事故か否かにより異なります。
積極損害 | 消極損害 | 慰謝料 | |
治療費 付添看護費 通院交通費 入院雑費 車椅子・補聴器・義肢等の費用等 |
休業損害 |
入通院慰謝料
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②後遺障害事故 |
治療費・将来の治療費 付添看護費 通院交通費 入院雑費 家屋等改造費 車椅子・補聴器・義肢等の費用等 |
休業損害 後遺障害による逸失利益 |
入通院慰謝料 後遺障害慰謝料 |
③死亡事故 |
治療関係費 付添看護費 葬儀関係費 |
逸失利益 |
死亡慰謝料 |
●損害の種類
1. 積極損害
積極損害とは、事故により、被害者が出費を余儀なくされたために発生する損害のことです。
具体的には、治療費や入院費、葬儀費用、車両の修理費などがこれにあたります。
2. 消極損害
消極損害とは、事故がなければ本来得ることができた収入など、事故により失われてしまった将来の利益のことです。人身事故により被害者が死亡または後遺障害が残ってしまった場合は、死亡もしくは症状固定と診断されるまでが休業損害、診断後は逸失利益とされます。
3. 慰謝料
交通事故により、傷害を負った場合や後遺障害(後遺症)が残った場合における精神的・肉体的な苦痛に対して支払われる賠償金のことです。被害者が死亡した場合には、遺族に対しても支払われます。
治療費などの積極損害については、実際にかかった費用が認められることが多いようですが、休業損害や逸失利益などの消極損害、および慰謝料については、保険会社の提示額は裁判所の基準額に比べて低いことが多いのが実情です。
損害賠償額の算定基準には、①自賠責保険の支払基準、②任意保険の支払基準、③弁護士基準(裁判所基準)があり、どの算定基準を元に交渉するかにより、賠償額に違いが出てきます。
これらの基準は、①自賠責保険の支払基準<②任意保険の支払基準<③弁護士基準(裁判所基準)の順に賠償額が高くなっており、弁護士は、3つのうちで賠償額が最も高く算出される③弁護士基準により保険会社と交渉を行います。