離婚の種類

協議離婚

1 協議離婚とは 

 夫婦の話し合いによって成立する離婚のことです。夫婦が離婚に合意し、役所に離婚届を提出するというだけの最も簡単な離婚の方法です。

  

 2 ポイント

 協議離婚の場合、お金に関する取り決めは口約束で済ませてしまいがちですが、後日のトラブルを防止するためにも、財産分与、慰謝料、養育費などのお金に関する取り決めがあるときは、公正証書を作成しておく方がよいでしょう。

 強制執行ができるという内容の公正証書を公証役場で作成しておけば、お金に関する支払の約束が守られなかった場合には、相手の財産を直ちに差し押さえることができます。

  

3 弁護士にご依頼いただいた場合

 公正証書作成をご希望の場合は、弁護士が公証役場での手続をサポートをいたします。 弁護士がお客様との打合せに基づき、公正証書の文案を作成し、公証役場との連絡等すべて弁護士が代理で行いますので、煩わしい手続きに時間を取られることなく、スムーズに公正証書を作成することが可能です。


 また、相手方が離婚に応じない場合や財産分与や養育費など金銭面での条件が折り合わない場合には、弁護士が代理人として相手方との交渉を行います。相手からの電話・手紙・メール等についても、すべて弁護士が代理人として対応しますので、冷静な話し合いが可能になります。

 

調停離婚

1 調停離婚とは

 調停離婚とは、夫婦間での協議で離婚の合意ができない場合や、財産分与や慰謝料、養育費など金銭面での条件が折り合わない場合に、家庭裁判所において話し合いを行い、離婚の合意ができた場合に成立する離婚のことです。


 原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。概ね1か月強に1回程度の頻度で調停期日が開かれ、中立的な立場の男女各1名ずつの調停委員に間に入ってもらって話し合いを行います。 


 裁判と異なり厳格な法定の離婚原因は必要なく、双方が離婚とその条件について合意した場合には、合意内容について判決と同じ効力をもつ調停調書が作成されます。相手が金銭を支払わない場合には、相手の財産を差し押さえる強制執行も可能です。 

 

2 ポイント

 調停は、調停委員があくまでも夫婦それぞれの言い分を聞き、双方が納得できる妥協点を探す話し合いの場であり、夫婦が合意しなければ離婚は成立しません。裁判ではないので、一方的に判決を下されることはなく、合意に至らない場合には、調停は不成立となり、終了します。その場合には、再度夫婦で協議をするか訴訟を提起することになります。 

 

3 弁護士にご依頼いただいた場合

 お客様との打合せの中で詳しくお話を伺い、主張すべきこととそうでないことを判断して書面にして裁判所に提出します。 財産分与など夫婦の財産関係が複雑なケースでは、裁判所に提出する主張書面の数も多くなりますので、専門的知識のある弁護士に依頼された方がよいでしょう。


 調停は弁護士にご依頼いただいた場合でも原則として本人が出席する必要がありますが、調停期日には毎回弁護士が同席し、調停委員の言っていることがわからない、調停委員に上手く言いたいことが伝えられないなどお困りごとがございましたら、その場でサポートいたしますので、安心して調停に臨むことができます。


 調停の中には非常に長期化するケースもあり、長引く争いに不安になられるお客様もいらっしゃいますが、弁護士が付いていれば、調停委員や裁判官との話によって、経験上見通しがわかることも多いですので、お客様の精神的負担も和らぐのではないかと思います。

 

審判離婚

 審判離婚とは、調停が成立する見込みがないときや、離婚そのものには合意しているもののごく一部の条件のみ折り合わない場合などに、家事審判官(裁判官)が調停に代わる審判を下し離婚を認める判断をする方法です。しかし、2週間以内に当事者から異議申立があった場合には、その審判は効力を失うため、審判離婚が行われるケースはほとんどありません。

 

裁判離婚

1 裁判離婚とは

 裁判離婚とは調停が不成立で終了した場合に、家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、判決によって成立する離婚のことです。

 

 離婚事件については、調停を経なければ、いきなり裁判を起こすことはできません。

裁判所が離婚を認めるか認めないかの判決を下しますので、最終的には必ず結論が出ますが、判決に不服があれば2週間以内に高等裁判所に控訴することもできるため、裁判が長期化することもあります。

 

2 ポイント

 訴えを起こすには、法定の離婚原因(①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④強度の精神病、⑤婚姻を継続し難い重大な事由)のいずれかが必要です。

 

 不倫や暴力は法的な離婚原因になりますが、不倫や暴力の事実が裁判の中で立証できなければ、離婚請求は認められません。このような場合は、不倫や暴力の事実を証明する証拠を提出して、離婚原因の主張・立証を十分に行うことが重要となります。

 

3 弁護士にご依頼いただいた場合

 裁判には弁護士が代理人として出席することができますので、ご本人は原則として出頭する必要はありません。ただし、証人尋問など出頭が必要な場合もあります。

 

 裁判では調停の場合と異なり、上記のとおり法定の離婚原因がなければ、離婚は認められませんので、離婚原因の主張・立証を十分に行う必要がありますが、弁護士がお客様との綿密な打合せにより、ご事情を聞き取り、訴状、答弁書、準備書面などすべての書面を作成し、証拠とともに裁判所に提出いたします。

 

 裁判所に提出する証拠については、お客様が裁判に有利な証拠をお持ちかどうかも重要となります。裁判に入る前の段階の方が収集しやすいものが多くありますので、不倫や暴力などが問題となるケースでは、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、アドバイスを受けておくことが非常に大切です。

 

 また、調停を経て裁判まで進むとなると、長引く場合には数年かかることもあり、時間・精神面でのご負担も相当なものと思います。裁判の中で和解という形で解決する道もありますので、方針に迷ったらいつでも相談できる相手として経験豊富な専門的知識をもつ弁護士をご活用いただけたらと思います。


>>財産分与・慰謝料・婚姻費用についてはこちら

>>親権・養育費についてはこちら


メールでのご予約・お問い合わせ